2016年11月15日 スタートした「マイナンバー」。押さえておきたいポイントとは

 

今年、2016年1月からマイナンバー制度がスタートしました。 

みなさんのもとにも、マイナンバーの通知カードが届いたことでしょう。マイナンバーは、国民一人ひとりに与えられる、生涯変更されない12桁の番号で、個人を特定する最も重要な個人情報といえます。また、国や市町村等の各機関が、それぞれ管理している個人情報をつなぐ役割があります。 

これからは社会保障や税金、災害対策に関する手続きをする際にマイナンバーが必要になります。例えば、引っ越しによる転入・転出届や母子手帳の交付、児童手当の申請、年金の裁定請求、健康保険証の申請、介護保険の利用手続き(社会保障)や、所得税の申告、固定資産税の減免申請(税金)、災害時の被災者申請(災害対策)など、行政窓口へ申請する時にマイナンバーが必要になっていきます。 

通知を受け取ったもののどうしたらよいかわからないという方も多いでしょうから、これだけは押さえておきたいマイナンバーのポイントについてお話します。

  

通知カードとは

 みなさんのお手元に届いた12桁の個人番号「マイナンバー」と、「氏名」「住所」「生年月日」「性別」「発行日」「発行者」が記載されたカードのことを、「通知カード」と呼んでいます。マイナンバーは、紛失や盗難などにあって、不正に使われる恐れのある場合を除いて、一生変更されることのない番号です。原則として、公的手続きをする際にマイナンバーを利用する時は、必ずその通知カードは本人の物なのかという本人確認という作業が必要になります。この通知カードは、マイナンバーを証明する書類としての利用はできますが、身分証明書にはなりません。マイナンバーを利用する際は、次に説明する「個人番号カード」を持っていなければ、通知カードと身分証明書(免許証やパスポートなど)が必要になります。

 

◆個人番号カードとは?

 「個人番号カード」は、通知カードのように何もしなくても届くものではありません。通知カードと一緒に同封されている「個人番号カード交付申請書兼電子証明書発行申請書」に必要事項を記載して、市区町村に申請して初めて交付されます。初回発行は無料です。 

この個人番号カードはICカードで、表面に「住所」「氏名」「生年月日」「性別」そして、一番の特徴は「顔写真付き」であるため、前段でお話した「通知カード」と違って身分証明書として利用することができます。裏面には「マイナンバー」が記載されておりますので、マイナンバーを利用する際は、本人であるという確認書類を必要とせず、この1枚だけで手続きをすることが可能です。また、ICチップが搭載されていますので、電子証明書やアプリを格納することができるということで、確定申告の時の電子申請やポイントカード機能の付与など、様々な利用の範囲が期待されています。 

なお、個人番号カードの交付を受けた時は通知カードを返却する必要があります。通知カードを受け取ってしばらくたっていますので、「どこに入れたかしら?」とすぐに思い出せない方もいらっしゃるようです。個人番号カードを申請した方は、通知カードは返却することを見越して保管しておきましょう。個人番号カードは、20歳未満は5年、20歳以上は10年の有効期限が設けられていますので、期限が切れた際は更新手続きが必要です。

  

◆通知カードと個人番号カードどちらがいいの?

 通知カードと個人番号カードの違いについて説明しましたが、どちらで持っていたらいいのだろう? とまだお悩みの方も多いと思います。今後、マイナンバーを使用する機会はますます増えることが予想されます。説明したとおり、顔写真付きの「個人番号カード」であれば、手続きの際に、このカード1枚で手続きすることが可能です。

 個人番号カードにはあり、他にも通知カードにはない機能があるのでご紹介します。

 

① 公的な身分証明書として利用可能。

銀行口座を開設するときやパスポートの新規発行などの本人確認も、この個人番号カードで可能です。免許証やパスポート、住基カードを持たず、顔写真付きの身分証がなかった方には朗報ですね。

② 国や市区町村などが提供する複数のカードと個人番号カードを一体化することが可能。

たとえば印鑑証明のカードなどと一体化することができます。将来的には健康保険証と一体化することも予定されています。

③ コンビニなどで住民票、印鑑登録証明書などの公的証明書を取得可能。

④ 各種民間企業のオンライン取引や、各種行政手続きのオンライン申請に利用可能。

⑤ 自分の個人情報の照会履歴などを確認することができるサイト「マイポータル」へのログインが可能。

 (マイポータルの運用は20171月からを予定)

 

 通知カードには期限はありませんが、マイナンバーを証明する書類でしかないので「個人番号カード」の方がより便利に利用することができると思います。昨年10月に通知カードが発送されて以降、マイナンバーを騙った不審電話や訪問、詐欺被害が報道されています。公共機関や金融機関、企業などから電話や訪問でマイナンバーを聞くことは絶対にありません!安易に通知カードを他人に見せたり、マイナンバー(12桁の番号)を教えないように注意しましょう。「社会保障」「税金」「災害対策」の3つの目的以外では、たとえ本人の同意があったとしても提供や収集、保管などすることは法律で禁止されています。 

 不必要に神経質になることはありませんが、「大事に保管すること」「他人にむやみに教えないこと」「聞かれたら何のために必要か必ず確認すること」を守っていただくとよいでしょう。

 

一般社団法人 かながわFP生活相談センター(KFSC) 大庭 和夫 1級FP技能士 

KFSCは神奈川県民の皆様のライフプラン作りやより豊かな生活の実現に貢献することを目的に活動するベテランのファイナンシャル・プランナー集団です。

 

 この内容は2016年2月に相鉄不動産販売様のメルマガに掲載された内容を、同社のご了解を頂き掲載しています。

 

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