2016年2月20日 春だからこそしておきたい生命保険の見直し

◆自分にあった保険に入っていますか?

 保険好きな日本人は、おおよそ9割の方が、なんらかの保険に加入しています。平均的な支払保険料の年額は、約40万円~50万円。人が生涯の中で支払う支払保険料の額はトータルで1000万円を超えることもあり、住宅取得に次いで多く、大きな比率を占めているといえます。

 まして、住宅ローンと子供の教育費と生命保険料の支払いがトリプルパンチで重なる家計であれば、お給料は、入るやいなや支出に消えてしまい、月々の生活がせきたてられるような慌ただしさの中で、「やり繰りたいへん家計」となるでしょう。そこから生活に余裕を見いだすのは難しいといえます。

新年度が始まる時期にライフスタイルが変わる方は、暮らしのリスクも変わってきます。「やり繰りたいへん家計」でお悩みの方は、まずは生命保険の現在の保障内容を見直し、将来の暮らしのリスクに対応できる備えとなっているのかどうかの判断をしてみましょう。


◆死亡保障額が「過小」なのか、「過大」なのかの適正額を知ってますか?

 「適切な死亡保障額」を検証してみましょう。適切な死亡保障額を決めるには「必要保障額」を算出する作業からはじめます。作業といっても、ざっくり把握すればいいと思います。必要保障額を出すには、家族の大黒柱(家計を支えている人)が亡くなったと仮定して、残された遺族の㋐将来支出(生活費や教育費など)と㋑遺族の将来収入(給与や遺族年金など)を見積もり、㋒その支出額から収入額を差引いたものを出します。

 

 あとは、過不足額を見積もるのではなく、大黒柱となる方が所属している会社からの死亡退職金を差し引くことも忘れないようにしましょう。(会社の就業規則・退職金規程に死亡退職金・弔慰金の出し方があるので計算しておきましょう。)

※ 「必要保障額」を簡易な計算例で算出します。(おおよその概算を把握する方法です。)

㋐ 将来支出 

 3,696万円(生活費22年分)+2,640万円(住宅関連費)+1,200万円(教育費)+200万(葬儀関連費用)=7,736万円

㋑ 将来収入

  4,752万円(遺族年金22年間☓18万円/月)+1,500万円(死亡退職金)=6,252万円

㋒ ㋐ - ㋑ = 1,484万円 

ただし、見積もった金額は概算なので、設定金額によりぶれ幅は大きくなる可能性はあります。

◆ 春は生命保険を見直すよい機会

 「更新」のお知らせが来ていませんか?いわゆる“アラフォー”世代からは、今まで加入していた保険が更新時期を迎え、年齢を増すごとに保険料アップになる可能性があります。「やり繰りたいへん家計」で保険料がアップすると、もっとやり繰りが大変になるでしょう。

 住宅関連支出や子供の教育費を優先順位の上位と考えるならば、更新のお知らせがなくても「やり繰り上手な家計」にしておくための見直しとして、まずは死亡や病気になった場合の保障を、「本当に必要な保険は何か」を選別していきましょう。この機会に保険証券をひっぱりだして、ご夫婦そろって契約内容を考える話し合いを持ちましょう。

 

一般社団法人 かながわFP生活相談センター(KFSC)ファイナンシャルプランナー 市田 雅良

KFSCは神奈川県民の皆様のライフプラン作りやより豊かな生活の実現に貢献することを目的に活動するベテランのファイナンシャル・プランナー集団です。

 


 この内容は2015年4月に相鉄不動産販売様のメルマガに掲載された内容を、同社のご了解を頂き掲載しています。


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