2023年8月15日 新NISAでシニア世代は資産寿命を延ばそう!

NISA(少額投資非課税制度)は、投資による売却益や配当にかかる税金約20%が非課税になります。2024年からの新NISAは貯蓄から投資へ「資産所得倍増プラン」によりパワーアップ、シニア世代にも活用しやすくなります。

日本の家計金融資産は2,000兆円を超え、その過半以上は現預金です。現預金はインフレになると価値が下がり、公的年金は物価上昇ほど増えません。人生100年時代、投資をしながら人生を楽しむためにお金を使い、資産寿命と健康寿命を延ばすことが必要になります。

 

◆ 新NISAの変更ポイント

・制度の恒久化

・非課税保有期間の無期限化

・年間投資枠:つみたて投資枠120万円・成長投資枠240万円・合計年360万円

・非課税保有限度額:1,800万円(うち成長投資枠1,200万円迄)

(買付額で管理され、売却すると翌年に買付額分が復活して再利用できる)

・現行NISA利用者は新NISAへの手続は自動設定のため不要。保有している商品は購入からつみたては20年、一般は5年、新NISAと別枠で保有可能

*詳細⇒金融庁NISA特設サイトhttps://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/index.html

 

年間投資枠360万円は最速5年で非課税保有限度額1,800万円となり、貯蓄や退職金などがあるシニア世代も投資しやすくなります。但し、投資するのは暫く使う予定のないお金、ライフプランを考えてご自身にあった目標額の設定が必要です。

 

◆ NISA口座開設の金融機関の選び方

 金融機関は年単位で変更でき、各々の金融機関の非課税保有限度額は国税庁において一括管理されます。また、つみたて投資枠と成長投資枠を別々の金融機関にはできません。

 現役世代はネット証券がお勧めですが、シニア世代は、まず、取引金融機関の商品を確認してみるのも良いです(株式等へも投資するなら証券会社)。各金融機関の新NISA戦略により、現行つみたてNISAの取扱商品も増加しています。野村證券は「はじめてのNISAシリーズ」、「eMAXIS Slimシリーズ」を追加しています。

 

◆ 人生100年時代、投資しながら取崩して資産寿命を延ばす

 NISAは資産の引出しが自由、リフォームや老人ホーム入居等、必要な時に必要な額を引出せます。

また、生活費の補填やゆとり費として定期的に取崩す場合もあります。例えば、投資せず1,800万円を75歳から月10万円取崩すと90歳でゼロです。利率3%で65歳から月30万円を5年間積立(投資額1,800万円)、70歳から5年据置、75歳から月10万円を取崩すと12年延びて102歳でゼロです。75歳以降も取崩さず90歳で引出す場合は1.94 倍の約3,500万円になります(非課税効果約340万円)。

 実際には利率は変動しますが、長期に投資しながら取崩すと資産寿命を延ばすことも可能になります。

 

◆ つみたて投資枠商品のポイント

対象商品は金融庁お墨付きの長期・積立・分散に適した投資信託246本(2023年7月末時点)です。販売手数料はゼロ(ETFを除く)、運用手数料(信託報酬)が低いインディックス(パッシブ)ファンドが中心です。全世界株式やS&P500指数に連動するインデックスファンドが人気、リスクを抑えたい人は株・債券・REIT(不動産)を組合せたバランス型もあります。定額買付のドルコスト平均法は、値下り時は多く買付できるのでチャンスだと思うと心穏やかに、ほったらかし投資でストレスも低減できます。

*お勧めサイト:ウエルスアドバイザーつみたてNISA総合ガイド

http://nisa.wealthadvisor.co.jp/

 

◆ 成長投資枠商品のポイント(買付は一括又は積立)

 対象商品は上場株式、投資信託など。投資信託は信託期間20年未満・高レバレッジ型・毎月分配型は除外、対象商品は2023年8月1日現在、投資信託1,491本(つみたて投資枠商品含む)・ETF(上場投資信託)229本が公表されています。

現行一般NISAの買付状況は上場株式43%、投資信託54%(2023年3月末)、投資信託は積立の場合もあります。

投資の神様ウォーレン・バフェットの投資術「優良企業の株を安く買い長期保有、自分が理解できない企業に投資しない等」が参考になります。

 

◆ まとめ

積立投資は相場に関わらず、いつでも少額から始められます。つみたて投資枠だけでなく成長投資枠も積立をベースに投資し、学びながら少額から成長投資枠で株式・ETF・REITに投資して配当など金の卵も楽しみにできます。

投資にアレルギーがあるシニア世代も、新NISAを活用して資産寿命を少しでも延ばすことを考えてはいかがでしょうか。

 

参考資料

・金融庁NISA口座の利用状況調査

https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/datacollection/index.html

・金融庁 つみたてNISA対象商品

https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/about/tsumitate/target/index.html

・投資信託協会 NISA成長投資枠の対象商品

https://www.toushin.or.jp/static/NISA_growth_productsList/

 

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一般社団法人 かながわFP生活相談センター(KFSC)  三井 礼子 

 専門分野: 

ライフプラン・リタイアメントプランニング
DC投資教育
 

 主な資格: 

CFP®・1級FP技能士、社会保険労務士、DCプランナー1級

 

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