前回(6月)このコラムに寄稿した「米国中流家庭のように資産1億円を持つためには」に引き続いての話題提供です。
◆◇日経平均インデックスのつみたてで試算をしてみました◇◆
◆ 60年つみたて投資
キーはライフプランに合わせた長期の積立投資です。
今回は、日本株を代表する日経225インデックス投信の過去20年間の株価データーをもとに、60年間つみたて投資を継続したらどうなるかをシミュレーションしましたので、その結果を紹介します。
前回「40年」と書きました。そんなに長期と思われたかもしれません。
今度は、「60年」、そんな長期間どのような意味があるのかと思われたかもしれません。
前提があります。私の提案は、生涯を通じて、つみたて投資を行うということです。
その前半でつみたてをして、後半では、取り崩しながら運用を続けるということで、60年という年月を想定しましょうという意味です。
◆ 過去20年の日経平均の株価が繰り返すケースでは1億円が視野に
2001年から2021年までの20年間の日経平均の株価が、今後20年ごとに繰り返すと仮定しました。前半20年で積み立てをし、後半40年で定期取り崩しとする場合のシミュレーション結果です。
1億円に達しています。
超えると言っても100歳で1億円は無用と感じる方が多いと思います。ただ、このシミュレーションのミソは、65歳(今年)から毎月積立元本相当の5万円ずつを毎月取り崩していることです。40年で元本の2倍の金額を取り崩しながら、1億円が残るという結果です。
◆ 2001年~2016年の日経平均の株価が繰り返したら
もう少し、現実的(?)なパターンでの試算が下図です。
2001年から2016年の15年間の株価パターンを繰り返すとした例です。(株価が上昇した最近5年をカットして、控えめな株価上昇にしたケースです)
この15年間で株価は約1.7倍になっていますが、複利年率に換算すると3.5%の利回り相当です。長らく日本が、ほぼゼロ金利であったことからするとかなりの高利回りですが、この水準は、期待リターンが国内債券より良いが、海外債券を下回る水準ですので、控えめな期待リターンと言えるでしょう。
毎月8万円を積み立てて、20年目に積立元本の2倍の4000万円を超える評価額となり、その後、積立元本相当の8万円ずつを取り崩していっても100歳の時同じ水準の資産が残るという結果になりました。
1億円を超えた最初の例でも、その前提にした過去20年の日経平均の株価上昇は、複利年率では5.3%にすぎず、海外株式(8-9%)に比べるとだいぶ低めです。つまり、海外株式でつみたて投資をすると、さらなる運用成績をつみたてで残せることになります。
20年に及ぶ私自身のつみたて投資の実践の結果(前回のコラム参照)と、これら試算の結果から、超長期でつみたて投資を継続すれば、1億円を視野に入れた資産形成ができる可能性は相応に高くなりそうです。
(つづく)
一般社団法人 かながわFP生活相談センター(KFSC) 奥田 健一 CFP®
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