2021年3月1日 株価上昇、だからこそ、いかに資産形成するか考えるとき

 

 2021年2月、日経平均が30年ぶりの高値更新と、テレビ・新聞紙上をにぎわしています。過去データーから、株価上昇期にリスク商品の買いが進み、株価下落で損切りして、資産運用に挫折する一般の方が多くいたという事実があります。

 

 最近テレビCMで、「アメリカの一般家庭では、金融資産を1億円持っている方が多い」という説明を耳にしました。どのように、アメリカの方は1億円もの資産を作ったのでしょうか。その多くは、株式を売った、買った、して作ったのではなく、つみたて投資をした結果なのです。

 

日経平均50年間の株価の軌跡が下のグラフです。

 

 

30-40年スパンで考えるつみたて投資を始めよう

 30年でも長すぎると思われるかもしれません。でも、今は、人生100年の時代です。

今40歳の方の30年後は、まだ70歳。平均余命からみても、まだ余命が15-20年ほどある年齢です。

今60歳の方の30年後は、90歳。そんな先にといっても、今60歳の女性の約4割は、90歳で存命です。4割の方が、それ以上長生きすると統計は示しています。

 

30年間、貯め続けるのではありません

 つみたて投資を30年といっても、ひたすら30年間つみたてるということを前提にしません。

つみたては継続するのですが、折につけ、主に、ゆとりの生活費のために部分解約をしていきましょうということを提案します。

「つみたてながら使う」です。

 

インデックスファンドを使い世界分散しながらつみたて投資

 個人で、世界分散をしながら、しかも、低コストでつみたて投資を行うということは、実は、10年、20年前までは日本ではできませんでした。

しかし、近年、インデックスファンドと呼ばれる、株価連動型の投資信託のいくつかが、きわめて低コストで登場し、しかも、投資先が国内だけでなく、世界全体にわたるファンドも登場してきています。

つみたてNISAや、個人型確定拠出年金(iDeCo)を使えば、税制優遇の恩恵も受けられます。

  

40年間、つみたてながら使う投資を試算してみました

 全世界株式インデックスファンドを使って、40年間の「つみたてながら使う」を試算してみました。単純化するために、最初の20年間毎月1万円積立、後半の20年間は、つみたては中断して、そのファンドから毎月1万円ずつ引き出していくというケースで試算しました。

つみたて元本は、1万円x12か月x20年=240万円(1981年から2000年まで)

 後半20年間は、ファンドに資金は置き運用は続けつつ、毎月、つみたて元本相当の1万円ずつを引き出していくと仮定しました。(2001年から2020年まで)

 

 結果は、40年たった昨年末で、資産残高が、1170万円となりました。

 

 念のため、繰り返します。計240万円を積み立てて、計240万円を引き出して、その残った残高が1170万円です。この40年間の間には、世界で見ても、2000年のITバブルの崩壊、2008年のリーマンショックという大幅下落の相場を経験しています。直近では、昨年初めのコロナショックという、かなりの下落相場がありました。その荒波を経ての結果が、上記です。

 

 積立金額を月10万円にしたらどうなるかは計算してみてください。(10倍すればよいです)

 

 引き出す期間に、つみたては継続して、一部を引き出すとことも提案したいポイントのひとつです。

これからこの四方山話の場を使って、つみたて投資をするツボを探る話題を提供していきます。 

 

一般社団法人 かながわFP生活相談センター(KFSC)   奥田 健一 CFP

KFSCは神奈川県民の皆様のライフプラン作りやより豊かな生活の実現に貢献するこ

とを目的に活動するベテランのファイナンシャル・プランナー集団です。

 

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