2015年5月2日 金融商品の選択基準と投資リスクへの対処法を考えてみよう

 世の中には、ありとあらゆる金融商品が溢れています。
金融商品の概要が記されている「金融商品ガイドブック(2014年度版)金融財政事情研究会出版」では、国内で販売されている金融商品を11の大きなカテゴリーに分類しています。預金商品、信託商品、証券型商品、投資信託商品、財形商品、生命保険商品、損害保険商品、ゆうちょ銀行の商品、かんぽ生命保険の商品、ローン商品、商品(コモディティの意味)のカテゴリーです。

 さらに、その中は全部で99の小分類に区分けされています。その小分類の中には数知れない個別商品が存在しているということを考えると、金融商品が「溢れている」という現状は決して誇張ではないといえるでしょう。

 

◆溢れている金融商品を選択するために
 金融商品の選択基準は何かというと、次の三点に集約されるでしょう。それは、1.収益性、2.安全性、そして3.流動性です。その中で何が最も重要であるかは、その資金の性格により違ってきます。例えば、そのお金が日常の生活費に充当される可能性があるなら、流動性が重要な要素ですし、将来の子供の教育資金なら、安全性が一番です。また、老後の資金では、安全性と収益性のバランスを取って選択すべきでしょう。しかし、それらの要素はそれぞれ相反するものです。安全で、流動性もあり、なおかつ収益性もあるということはありません。したがって、最初に資金の性格を見極め、選択基準に優先順位をつけて投資をすることが重要なことになります。

 

◆覚えておきたい投資のリスク
 投資の世界では、リターンを追及すると、それに伴いリスクが発生します。リスクはリターンの変動の幅の可能性を指し、必ずしもマイナスのことだけを言うわけではありませんが、プラスの場合は問題になることは少ないと言えます。ちなみに、金融商品の主なリスクとしては、信用リスク、価格変動リスク、為替リスク、金利変動リスク、流動性リスク、カントリーリスクなどがあります。

 

◆投資のリスクの対処法とは
 さまざまなリスクを軽減するにはどの様に対処すればよいかというと、「分散」という概念があります。投資の世界のことわざに、「一つのカゴにすべての卵を盛るな」というものがあります。一つのカゴに卵を入れておくと、カゴを落とした時に、すべての卵を割ってしまうことがあるということを説明しています。「卵」をお金、「カゴ」を金融商品に例えて、資産の分散の重要性をよく表しているといえるでしょう。

 また、もう一つの重要な分散に、時間分散というものがあります。たとえ同じ資産や商品を買うにしても、一度に買うのではなく、何回かに分けることにより、収益のブレを少なくできます。資産の分散や時間の分散は、短期的には、必ずしもいつもプラスにだけ働くわけではありませんが、長期的には非常に有益な投資方法と言えると思います。

 新年度を迎え、自分の金融資産の選択基準や運用方法を見直してみるのもいいのではないでしょうか。                                   

 

一般社団法人 かながわFP生活相談センター(KFSC) 太田 陽一 CFP(R)

KFSCは神奈川県民の皆様のライフプラン作りやより豊かな生活の実現に貢献することを目的に活動するベテランのファイナンシャル・プランナー集団です。

 

 この内容は2015年1月に相鉄不動産販売様のメルマガに掲載された内容を、同社のご了解を頂き掲載しています。

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