2020年6月14日 支援制度も活用して、新型コロナ問題を乗り切ろう!

 

 新型コロナ問題はまだまだ収束しそうにない状況です(6/5執筆時点)。4月に発令された緊急事態宣言は、5月下旬には全国解除となり、一定の制圧はできてきたかに見えました。ただ第二波の懸念もあり、またこの問題の経済ダメージは非常に大きく、例えば日経新聞(2020年5月31日朝刊)は「新型コロナウイルスの感染拡大を受け、中小企業の経営が急速に悪化」、「2020年の休廃業や解散は、推計で5万件に上りそうだ」と報じています。今後この問題は、更に長引き、深刻さを増す可能性もありそうです。


 この様な状況下、経済的ダメージを最小限に抑えるべく種々の公的な支援制度も用意されています。この危機を上手く乗り越えるにはこの制度を上手く活用したいものです。その様な視点に立ち、ここでは特に個人向けの支援制度を重点に解説します。

 

1)個人向けの支援制度
① 緊急小口資金(主に休業された方向けの特別貸付)
 新型コロナの影響で、休業や失業等によって収入が減少し、緊急かつ一時的に生計維持に貸付が必要な世帯向けに少額の貸付を行う制度です。無利子、保証人不要で申請でき、貸付上限額は20万円です。受付窓口は全国の市区町村社会福祉協議会ですが、4月30日から全国の労働金庫、5月28日から日本郵便株式会社でも受付が可能となりました。次項②(総合支援資金)も含め、詳細は以下をご参照ください。
https://www.shakyo.or.jp/coronavirus/shikin20200324.pdf

 

② 総合支援資金(主に失業された方向けの特別貸付)
 新型コロナの影響で、収入の減少や失業等になり、生活に困窮し日常生活の維持が困難となっている世帯に対して、生活再建までの間に必要な生活費の貸付を行う制度です。
 貸付上限額は2人以上の世帯で月20万円、単身世帯で月15万円、貸付期間は原則3カ月以内、申込先は市区町村社会福祉協議会です。
尚、本件と緊急小口資金貸付とは同時受給できない為、通例では緊急小口資金を先に申請し、その後も減収状況が続く場合は総合支援資金を申請する流れとなります。

 

③ 住居確保給付金
 新型コロナの影響で、離職や廃業等により収入が減少し家賃の支払いが困難になった人に対して、市区町村が定める額(=生活保護制度の住宅扶助額)を上限に、実際の家賃額を原則3カ月間(延長2回まで、最長9カ月)支給する制度です。一定の資産収入等に関する要件を満たしている方が対象で、申請先は地域の生活困窮者自立相談支援機構です。詳細は以下をご参照ください。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000073432.html

 

④ 傷病手当金(健康保険)
 勤務先で健康保険に加入している人が新型コロナに感染し、療養のために仕事を休み、事業主から報酬が受けられない場合、休み始めた日から数えて4日目からの休業中の期間、疾病手当金が支払われます。支給額は、標準報酬月額に1/30を掛けた額の3分の2に相当する金額(日額)となります。詳細は以下をご参照下さい。
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g1/r2-3/2020031001/

 

⑤ 特別定額給付金
 給付対象者は2020年4月27日に住民基本台帳に記録されている人で、一人当たり10万円が給付されます。受給権者は世帯主で、申請や受給も世帯主が纏めて行います。
 申請は「郵送申請方式」では、市区町村から世帯主宛てに郵送された申請書に振込先口座を記入し、振込先口座の確認書類と本人確認書類の写しと共に市区町村に郵送します。
 「オンライン申請方式」は、マイナンバーカード所持者が対象で、マイナポータルから振込先口座情報を入力後、振込先口座の確認書類画像をアップロードして電子申請します。
申請期限は「郵送方式の申請受付開始日から3ヶ月以内」です。申請受付開始日が不明の場合は、お住まいの市区町村にお問い合わせ下さい。詳細は以下をご参照下さい。
https://kyufukin.soumu.go.jp/ja-JP/

 

 その他、個人向け支援制度は「払い賃金立て替え制度」、「休業手当」、「国民年金」、「国民健康保険」、「納税の猶予」等もありますが、ここでは説明を省略します。

 

2)学生向けの支援制度
 学生向け支援制度としては「学生支援緊急給付金」、「大学の授業料等減免・給付型奨学金支給」、「貸与型奨学金」、「学生等の通信環境の確保」等でコロナ対応が図られています。ここでは説明は省略します。


3)事業者向け支援制度
 事業者向け支援制度としては「雇用調整助成金」、「持続化給付金」、「持続化補助金(コロナ特別対応型)」、「IT導入補助金」、「小学校休業等対応助成金」、「小学校休業等対応支援金」、「資金繰り支援の各種融資」、「都道府県・市区町村の支援」、「公共料金」、「納税の猶予」等でコロナ対応が図られています。ここでは説明は省略します。

 

 以上、新型コロナの主な支援制度を解説してきましたが、何れも執筆時点(6/5)における情報に基づいています。実際の申請等の際には関連サイト等で最新情報をご確認ください。
また、本稿で詳しく説明できなかった制度については、以下の日本FP協会のサイトでも詳しく説明されていますので、そちらもご参照ください。
<新型コロナウイルス感染症 支援制度まとめ>
https://www.jafp.or.jp/covid-19/support/

 

 今回の支援制度に対しては、いくつか問題指摘も聞こえてきますが、新型コロナ問題を乗り切るには出来るだけ活用したいものです。本稿がその一助とでもなれば幸いです。 

 

一般社団法人 かながわFP生活相談センター(KFSC)  三好正信 CFP®

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とを目的に活動するベテランのファイナンシャル・プランナー集団です。

 

 

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