2019年8月20日 『小規模多機能』型在宅介護

 

 

 昨年9月の本コラムで、介護サポートの体験談を載せ、小規模多機能型在宅介護に少し触れました。その時は、私自身が親の介護施設を探している実体験に基づいて、従来型の在宅介護との比較を少しだけさせていただきました。

 

第61回 介護施設探し) 

  

 そのすぐ後、昨年10月に、私の母は藤沢のある小規模多機能にお世話になることになりました。

 

その後、そこにお世話になり私の母は、かなり短期間で、相応に大きな変化が見られました。もちろん良好な方向にです。
 その時に書いたように、小規模多機能は、仕組み的には、デイサービス、ヘルパー、ショートステイがあるという点は、従来型の在宅介護と同じですが、いろいろ自由度の違いがあるのです。


 ●違いは、まず、かなり頻繁に散歩に出かけることです。たかが散歩と思われるかもしれませんが、一般のデイサービスでは、施設の外に出るには、いちいち申請許可を取る必要があるそうで、現実的に散歩はしてもらえません。私の母が以前通っていたデイサービスもそうでした。


 ●また、母の買い物の介助も、牛乳などちょっとしたものであれば、サポートしてくれるのです。母は、まだ未経験ですが、熱が急に出た時は、家族への連絡がまず第一にありますが、その時家族がすぐに対応できないときは、病院への連れていくという介助もしてくれるそうです。一種の散歩ですが、芋ほりに行ったり、回転ずしに行って昼食を食べたりとかもしてくれています。年に2-3回の割合ですが、近在の住民や、小さい子供たちを集めて、夏祭りを開いたり、運動会を開いたりもしていて、通所者のためではあっても、それだけでない活動もしています。


ケアマネージャーも含めて、すべての機能を一つの施設でまとめて行うという、小規模多機能は、自治体も推奨しているようで、母のもとに届いた市の介護サービスのお知らせには、小規模多機能の施設一覧のみが入っていました。

 

そのような、小規模多機能にお世話になり始めて、わずか2か月後の昨年11月末に、2年に一度の、介護度認定の訪問を受けた時には、介護認定が改善するのではないかと、本来なら喜ばなければならない事を心配する必要が出てきました。介護度が下がり、要介護1が、要支援になると、その小規模多機能のサービスを受ける資格を失うという意味での心配なのです。


母が、完全に、その機能を回復しているなら、もちろんそれは喜ぶべきことですが、小規模多機能にお世話になって刺激を受けているからこそ、その機能を維持できていると判断できるので、それは、心配の種になってしまうわけです。

 

小規模多機能に与えられている自由度のある介護サービスについて、皆さんも、それぞれの地域にある、小規模多機能がどのように運営されているかを調べてみるのが良いように思います。(小規模多機能は、その地域に住んでいることが、契約の要件になっています)
 

 

 

一般社団法人 かながわFP生活相談センター(KFSC)  奥田 健一 CFP®

KFSCは神奈川県民の皆様のライフプラン作りやより豊かな生活の実現に貢献することを目的に活動するベテランのファイナンシャル・プランナー集団です。

 

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