2019年6月17日 相続税がかからなくても、相続手続きは意外と大変?

 

 相続税がかかるほどの財産がない場合であっても、遺族は各種の手続に追われて意外と大変です。

相続手続でよくある困りごととして「何をしたらいいのか、何から始めたらいいのかがわからない」というものがあります。

大切な人を亡くして精神的に非常に辛い時期に不慣れな手続をしなければならないため、戸惑ってしまう遺族が多いようです。


一般的に、相続が発生したときに必要となる手続は次のとおりです。

 

◆基本的な手続
 - 死亡届の提出
 - 社会保険関連の手続(遺族年金の請求、未支給年金の請求等)


◆受け取る手続き
 - 生命保険・損害保険の請求

 

◆財産を引き継ぐ手続
 - 預貯金の解約・名義変更
 - 有価証券の解約・名義変更
 - 各種会員権の名義変更
 - 自動車の名義変更
 - 生命保険契約等の名義変更
 - 不動産の相続登記

 

◆生活関連
 - 公共料金の名義変更連絡
 - 各種引落し口座変更
 - クレジットカードの解約

 

◆税金
 - 所得税の準確定申告
 - 相続税の申告

 

 よくある話として、遺産分割協議が成立した後に新たに財産が出てきたために、改めて遺産分割協議が必要になることも。

マイナス財産があるときに相続放棄を申告するのは相続の開始があったことを知った日から3ヵ月以内、相続税の申告・納付期限は相続の開始があったことを知った日の翌日から10ヵ月以内などのように、手続によっては期限が設けられているものがあります。

遺族が財産を把握できていないケースでは、期限までに手続をするのは大変なことだとイメージできると思います。
 

 相続手続では、相続人全員の手続が必要となりますが、連絡が取りにくいと手続の完了までに時間がかかってしまいます。

相続人が遠方に住んでいる、もしくは相続人同士の関係が遠い(甥や姪)ために、手続を進めたくても思うように進まないことがあります。親族が相続人となるような場合は、あらかじめ連絡先等の情報を共有しておくと安心できるのではないでしょうか。
 

 相続に関する話題はなかなかしにくいものですが、万一のことがあって困るのは遺された家族です。

いまから遺言書を作成しておく、取引のある金融機関のリストを作成しておくなど生前にできることを実行して、家族の将来の負担を減らしておくことも相続対策の1つといえるでしょう。

  

一般社団法人 かながわFP生活相談センター(KFSC)  左右木 伸也 AFP

KFSCは神奈川県民の皆様のライフプラン作りやより豊かな生活の実現に貢献することを目的に活動するベテランのファイナンシャル・プランナー集団です。

  

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