2018年12月16日   あなたの引出しに眠っていませんか休眠預金通帳

 

 

 引っ越しや転勤で忘れてしまった預金通帳はありませんか?あるいは住所変更届を出していない預金通帳はありませんか?

 

◆休眠預金制度とは
 2018年1月に施行された休眠預金等活用法により10年以上にわたり放置された預金を社会事業に活かす「休眠預金制度」が2019年1月からスタートします。
 休眠預金とは何でしょう。10年以上放置された預金のことです。2009年1月1日以降に最後の移動があった預金等が原則対象になります。放置されたとはどういうことでしょうか。預金口座からお金を出し入れしていないことです。通帳記入や残高照会だけでは取引とみなされない可能性もあります。銀行ごとに対応が異なるため問い合わせてみる必要があります。
 対象は普通預金や定期預金、通常貯金や定期貯金、当座預貯金、別段預貯金、貯蓄預貯金、定期積金、相互掛金、金銭信託(元本補填のもの)金融債(保護預かりのもの)です。
 対象にならないものは外貨預貯金、譲渡性預貯金、金融債(保護預かりなし)、財形貯蓄、仕組預貯金、マル優口座、2007年10月1日(郵政民営化)より前に預けられた定額郵便貯金等です。
 

 さて、注意しなければならないのは郵政民営化前の郵便貯金です。2007年9月末までに預けた定期や積立の郵便貯金は満期から20年2ヶ月を経過すると払い戻しの請求権利そのものが消滅してしまいます。通常貯金は対象外です。
対象者には満期から20年で権利消滅の催告書が届きます。引っ越しなどで住所の変更届を出していないと気が付かない恐れがあります。満期10年までに通帳の再交付や住所、氏名変更等の手続きをすれば払い戻すことがあるので郵便局に問い合わせてみるのが良いでしょう。

 

◆休眠預金にしないためには
 1万円以上の残高があり9年以上取引の無い預金等についは、お預けの金融機関から現在の登録住所に通知が郵送されます。金融機関によっては郵送の代わりに電子メールで通知されることもあります。この通知を受け取ることができれば休眠預金にはなりません。
1万円に満たない預金等は通知がありません。
 住所変更届等をしていないなどで通知のこない場合はどう対応したらよいでしょうか。
「異動」という取引が必要となります。「異動」とは預貯金者などが今後も預貯金などを利用する意志を表示したものとして認められるような取引をさします。代表的な取引は入出金です。通帳の発行や記帳、残高照会等は金融機関によって「異動」とするか異なります。
金融機関への問い合わせやサイトでの確認が必要でしょう。
 通帳やキャッシュカードを紛失している場合はどうしたら良いでしょうか。
本人確認書類(身分証明書)などを持っていけば引出しは可能です。具体的に必要になる書類等は取引のある金融機関に問い合わせる必要があるでしょう。
  休眠預金等として預金保険機構に移管されてしまったらどうしましょうか。
移管された後も、取引のあった金融機関に、通帳やキャッシュカード、本人確認書類を持参すれば引き出しは可能です。必要となる手続き等については取引のある金融機関に問い合わせてみましょう。移管された休眠預金を引き出す期限はありません。いつでも引き出しできます。

 

 この機会にご家族の休眠預金も確認しておいた方が良いかもしれません。認知症の親族や遠く離れた親族等の相続時にはとても手間がかかります。また、不要な預金口座はこの際整理することが良いかもしれません。


 

一般社団法人 かながわFP生活相談センター(KFSC)  金井 剛  AFP 

KFSCは神奈川県民の皆様のライフプラン作りやより豊かな生活の実現に貢献することを目的に活動するベテランのファイナンシャル・プランナー集団です。

 

 

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