2018年11月19日   FP相談から住宅・相続問題を解消したケース

 

 

 最初の単世帯のライフプランから親世帯のライフプランを通じて、住宅問題や相続問題が解決できた事例を紹介します。


◆自宅が相続財産に変わってしまった例
 相続した実家が姉弟の共有物になっていました。ところが、実際は、実家を継いだ長男が居住しています。
長女と次女の二人は、結婚して別世帯でご家族と一緒に暮らしています。

要は、両親と長男が同居していた自宅が、両親が亡くなったことで相続財産に変わってしまった例です。
 
◆自宅なのに住み続けられない 
 相続人の長男にしてみれば、これまで同様自分の自宅ですし、相続財産といわれてもどうにもならない訳です。一方、長女と次女からすれば、相続財産である実家の3分の1ずつ、合計3分の2は、自分たちの財産となっています。長男からすれば、一体、俺にどうしろ!?と、いうお話です。
 

◆相続財産となった自宅はどのように問題解消すればいいのか
 相続財産が不動産の場合、物理的に分けにくいケースが多く見られます。このケースが典型的です。解決する方法として、売却して売買代金を分け合うか、あるいは、住み続けることを希望している長男が、不動産をすべて相続する分、それに見合う対価、つまり代償を長女と次女に支払って、不動産の持ち分を放棄してもらう方法があります。

 

◆今回のケースを救ったのは、長男の息子夫妻だった
 実際、長男には代償金が用意できる資力はありません。また、自宅を売却して別の住宅に住み替える社会的、経済的な力もありませんでした。そこに救世主となったのが、長男の息子の次男夫婦でした。

 

◆住宅取得のためのライフプラン
 FPとして相談を受けたのが、単世帯での自宅購入でした。年齢や年収、自己資金から試算する住宅取得のための予算ですと、希望されているエリアでは、かなり厳しい状況でした。特に、建物も注文住宅であるハウスメーカーが希望でしたので、益々、土地予算が低くなっていました。
 

◆単世帯住宅から二世帯住宅へ
 そこで、実家が相続後の共有物であるにも係わらず、長男単独では解消できないことに着目して、長男世帯と息子世帯での、二世帯住宅の提案に至りました。つまり、息子の住宅資金を建物代に集中させて、土地は長女、次女の分を分筆して売却し、代金を受領してもらう。相続問題の解消と息子世帯の住宅問題の解消という、双方の利害を一致させることで、問題解決に繋がったケースです。
しかも、長女と次女の相続問題も解消しました。
 

◆ライフプランから相続問題、住宅問題の解消へ
 相談者ご本人だけでなく、親類のライフプランを前提とした生活環境の確認から、今回のように良い結果に結びつけることが出来たと思います。
 

一般社団法人 かながわFP生活相談センター(KFSC)  志村 孝次  AFP 

KFSCは神奈川県民の皆様のライフプラン作りやより豊かな生活の実現に貢献することを目的に活動するベテランのファイナンシャル・プランナー集団です。

 

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