2015/03/01 家計の見直しのポイントとは、固定費を抑えること!

昨年の4月から消費税が8%となり、物価も上昇し始めています。そこで、家計に影響が出る前に、ぜひ家計の見直しをやっておきたいものです。今回は、「固定費を抑える効果が高い」生命保険の見直しについて解説します。

 

まずやっておきたい現在の保険内容の確認

 まず、既契約の内容を、保険証券や毎年郵送される「ご契約内容のお知らせ」、または加入時に提示された「保険設計書」などで確認しましょう。ポイントは3つ。

「死亡保険金額と保険期間」、「入院給付金」、そして「がんや特定の疾患の保険金額」です。死亡保険金には、一時金の受け取りと年金の受け取りがあります。年金受け取りの場合には、年金額に受取年数をかけて総額を出します。保険期間は、終身型なのか定期型なのか確認しましょう。入院給付金は、額と給付される限度日数を確認しておきましょう。がんや特定の疾患の治療費は高額になることが多いものです。がんや三大疾病(がん・急性心筋梗塞・脳卒中)など、どんなときにいくら治療費として支払われるのかは大事なポイントです。

 

万一のときに役立つための必要保障額の計算

次に、必要保障額を計算して死亡保険金額が適正であるかを検証します。

必要保障額とは、家族の大黒柱に万一が起きたとき、遺された家族が安心して暮らせる生活費のことです。例えば、夫が死亡して妻と子どもが残された場合で考えてみましょう。

※ネット上でも、無料シミュレーションが多数ありますが基本は以下の式で算出されます。

 

 (A)遺族の生活費(支出)(B)遺族の収入見込額(収入)(C)必要保障額の目安

 

 既契約の死亡保険金額と必要保障額を比較し、既契約の方が大きければ、減額をして保険料を抑えます。また、マイホームを購入した時には、住宅ローン分を必要補償額から減額することができます。ただ、子どもが誕生した時には、保障の増額が必要になります。

 

入院給付金の見直しは、健康保険の給付内容の不足を補うためのもの

 入院給付金の金額を決める前に、健康保険の規定による高額療養費や傷病手当金の制度を確認しましょう。高額療養費制度は、1か月の治療費が一定の限度額を超えた場合に、超えた分が健康保険から払い戻される制度です。会社員の方は、会社の健康保険組合に付加給付制度があれば付加給付額が、限度額になります。

差額ベット代や食費代、先進医療費などは払い戻しの対象になりませんので、注意が必要です。

 

健康状態を確認することで、保険料が節約できることも

 生命保険に新しく加入する場合、健康状態のチェックがあります。継続的に薬を服用していたり、過去に入院したことがある場合には、特別な条件(割増保険料や一定期間の減額など)が付くこともあります。特別な条件が付いた場合には、契約するかどうかの再検討が必要です。既契約をそのまま活かすことも選択肢のひとつだからです。持病がある方でも入りやすい保険はありますが、保険料は割高です。逆に、健康状態が良い方やたばこを吸わない方は、保険料が割引になる保険もあります。

 

たくさんある中で、加入したい保険会社の特徴と選び方

 保険加入の窓口はたくさんあるように見えて、実は3つに分類されます。国内生保、外資系生保、損保系生保は、契約からアフターフォローまで担当者が固定されることが特徴的です。通信販売、ネット生保は、コールセンターやネット上で商品内容を確認したり、給付金の請求がネット上で出来るものもあるほど、手続きが簡便な一方、ちゃんと自分で勉強しておかないと、保険の内容を理解できないこともありえます。総合保険代理店(来店型店舗)は、複数の保険会社の商品を比較可能ですが、手数料を開示すべきという指摘もあり、賢い消費者になることが求められます。

一般的に保険料が安いのは通信販売やネット生保ですが、アフターフォローまで考えると一長一短があります。同じ内容の保険でも、会社によって保険料が異なっていますので、各社の特徴などを比較して選択することをお勧めします。

 

参考::必要補償額の考え方

 

(A)遺族の生活費(支出) ① ~ ④までの支出合計 

 

①基本生活費:残された家族の生活費は、現在の生活費の7割程度。子どもが社会人となってからは、5割程度を妻の平均余命まで見積ります。

②住居費:賃貸の場合は、妻の平均余命まで家賃を見積ります。持家の場合は、通常住宅ローンには団体信用生命保険が付いているので、住宅ローン以外の管理費や固定資産税などを見積ります。

③教育費:子どもの最終学歴卒業までの学費

④葬儀代、一時的支出など

 

(B)遺族の収入見込額(収入) ⑤ ~ ⑩までの収入合計 

 

⑤遺族基礎年金:子どもが高校卒業まで(子どもの人数によって金額は異なる)

⑥遺族厚生年金:厚生年金に加入している夫の妻は、一生涯受取れます。

ただし、夫の死亡時に30歳未満で子どもがいない妻は5年間の有期。

⑦中高齢寡婦加算:夫の死亡時に妻が40歳以上の場合に64歳まで受取れます。

ただし、遺族基礎年金が支給されている間は、支給停止。

⑧老齢年金:妻本人の年金が一生涯受取れます。

⑨死亡退職金・弔慰金等

⑩妻の収入・現在の貯蓄など


 

一般社団法人 かながわFP生活相談センター(KFSC) 赤塚 信子 CFP(R)

KFSCは神奈川県民の皆様のライフプラン作りやより豊かな生活の実現に貢献することを目的に活動するベテランのファイナンシャル・プランナー集団です。

 

 この内容は2014年8月に相鉄不動産販売様のメルマガに掲載された内容を、同社のご了解を頂き掲載しています。

 

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