2017年4月1日「 大きく変わる税額!?床面積50㎡以上と未満との違いとは」

住宅ローン の金利は未だかつてない超低金利といえます。銀行ではローンの借り換え相談が活況で、新しく住宅購入を検討されている方も多いことでしょう。

今回は、20代の若いカップルや30~40代のシングルなどにニーズの高い、都心のコンパクトマンションについてとりあげます。専有面積が50㎡台程度までのマンションでは、価格や間取りだけでなく、注目して欲しいのが床面積です。 

 

◆おさえておきたい住宅ローンのお得な情報 

まずは、住宅ローンについておさらいしておきましょう。返済期間10年以上の住宅ローンを利用して住宅を購入する場合、一定の条件を満たせば、年末のローン残高(一般住宅の場合、上限4,000万円)の1%相当額が、10年間所得税から控除されます。この控除を受けるための条件のひとつが「床面積50㎡以上」です。これにより、最大400万円の税金が戻ります。これは、見逃せないとても大きな控除です。 

また、住宅ローンを借りる場合には抵当権設定登記が必要になるのですが、このときかかるのが登録免許税です。この税金が軽減される条件のひとつが、「床面積50㎡以上」。税額がローン金額の0.4%から0.1%に減額されます。例えば、ローン金額が3,000万円の場合、軽減されれば3万円、軽減されなければ12万円になります。 

 

◆ローン以外のお得な軽減措置とは 

土地や建物を売買で取得したとき、所有権移転登記をします。このときかかる登録免許税は、「床面積50㎡以上」などの条件を満たせば、税額が軽減されます。例えば、建物の登記所認定価格(固定資産評価額)が800万円の場合、軽減された税額は2万4千円(税率0.3%)。軽減されなければ16万円(税率2%)になります。さらに、土地や建物を取得した場合に課税される不動産取得税も「床面積50㎡以上240㎡以下」といったいくつかの条件を満たせば軽減措置を受けられます。 

 

◆贈与にも床面積の条件が必要となる? 

父母や祖父母などの直系尊属から住宅取得資金を贈与された場合、一定額(*下表参照)について贈与税が非課税になる特例制度があります。これにも「床面積50㎡以上240㎡以下」という条件があります。これが利用できれば、マンション購入計画はぐっと実現させやすくなります。贈与されてから3年以内に贈与した方がお亡くなりになると、贈与財産は相続財産に加算されて相続税が課税されます。しかし、この特例であれば、非課税ですから相続財産に加算されませんので、その点も安心です。

    

<非課税の限度額一覧表> 

契約年

消費税率8%

消費税率10

省エネ等住宅*

左記以外の住宅

省エネ等住宅*

左記以外の住宅

~平成271231

1,500万円

1,000万円

平成2811日~平成31331

1,200万円

700万円

平成3141日~平成32331

1,200万円

700万円

3,000万円

2,500万円

平成3241日~平成33331

1,000万円

500万円

1,500万円

1,000万円

平成3341日~平成331231

800万円

300万円

1,200万円

700万円

                                 *日本住宅性能表示基準を満たした住宅

 

このように各種税金について、優遇がうけられるかどうかのポイントが、「床面積50㎡以上」なのです。「50㎡前後の床面積」のマンションの購入を考えるのであれば、「床面積50㎡以上」の税制特典を是非チェックしましょう。 

 

最後にひとつ注意することがあります。マンションのパンフレット等に記載されている床面積は、壁の中心(壁芯)を基に計算します。税の軽減措置を受ける場合の条件となる床面積は、登記簿上の面積で、内法(うちのり)によって計算します。つまり、登記簿上の面積はパンフレット上の面積より少なくないことがありますので、購入を考える場合は必ず登記簿上の面積を確認しておくとよいですね。 

*各種税制特典には適用期限がありますので、ご注意ください。  

 

一般社団法人 かながわFP生活相談センター(KFSC)監事 木村道子 (CFP®) 

KFSCは神奈川県民の皆様のライフプラン作りやより豊かな生活の実現に貢献することを目的に活動するベテランのファイナンシャル・プランナー集団です。

 

 この内容は2016年10月に相鉄不動産販売様のメルマガに掲載された内容を、同社のご了解を頂き掲載しています。

 

【免責事項】
 かながわFP生活相談センター(KFSC)は、当コラムの内容については掲載時点で万全を期しておりますが、正確性・有用性・確実性・安全性その他いかなる保証もいたしません。当コラム執筆後の法律改正等により、内容が法律と異なってしまう場合がございます。どうぞご了承くださいますようお願いいたします。万一、当コラムのご利用により何らかの損害が発生した場合も、当社団法人は何ら責任を負うものではありません。