2016年11月02日 「自宅を購入するときは、道路に気を付けましょう」

 自宅を購入する際に注意すべきポイントがいくつかありますが、接面道路にもぜひ注意を払っておきたいものです。なお「都市計画区域」内に購入するので、ここではその区域内について考えてみましょう。

  

◆道路に面していても、家を建てられないことがある?
 不動産を購入する場合、どんな道路に面しているかが気になりますね。特に建物を建てるために建築許可を得るには、この接面道路がポイントになります。実は、建物を建築するに当たって接しているべき「道路」とは、建築基準法に規定されている「道路」を指し、全ての道がこれに該当する訳ではありませんし、登記簿上の「公衆用道路」と一致している訳でもありません。では、どのような道がこれに該当するのでしょうか?
主なものは、以下の6種類です。


①幅員4m以上の公道
②都市計画法の開発許可・土地区画整理等により築造された幅員が4m以上の道路
③都市計画区域が指定された当時(横浜市の場合は昭和25年11月23日)に、既に存在していた幅員が4m以上の道路
④2年以内に都市計画法等により新設、変更が予定されていて、特定行政庁(神奈川県内では、横浜市等13の特定行政庁があります。)が指定した道路
⑤建築物の敷地にするために幅員4m以上の道を築造し、特定行政庁の指定を受けた道路(位置指定道路)
⑥都市計画区域が指定された当時に、既に建物が立ち並んでいた幅員が4m未満の道路で、特定行政庁が指定した道路(いわゆる「2項道路」)

 

 このうち⑥だけが幅員が4m未満であるため、この道路に接している敷地は、原則として道路の中心線から2m(他方が崖や川の場合はその端から4m)後退した線を道路の境界線とみなし、門扉等を後退させなければなりません。つまり、⑥の道も、接面する敷地上の建物の新築・建替えの度に4mに拡幅され、やがて数十年後(?)に幅員が4mになることが期待されています。

 そして、この建築基準法上の「道路」に接していないと、原則として建築ができなくなりますし、既に建っている建物(既存不適格建築物)を取り壊したら、再び建築ができないことになります。

 

◆敷地には2m以上の接道義務がある
  建築物の敷地は原則として「道路」に2m以上接しなければなりません。この「敷地」とは、「1棟の建物の敷地」を指すのが原則で、1棟の建物ごとにそれぞれが「道路」に2m以上接している必要があります。よく、邸宅跡が4棟の建売住宅に変わり、奥の2棟のための進入路が付いている光景を見かけますが、この進入路の幅も1棟について2m以上になっています。

◆自宅の購入時には

 ①土地が建築基準法に規定されている「道路」に接しているか? ②間口が、この「道路」に2m以上接しているか?」に気を付けましょう。何しろ、一生に一度かも知れない大きな買い物なのですから・・・。

 

一般社団法人 かながわFP生活相談センター(KFSC) 小林 徹CFP®) 

KFSCは神奈川県民の皆様のライフプラン作りやより豊かな生活の実現に貢献することを目的に活動するベテランのファイナンシャル・プランナー集団です。

 

 この内容は2016年5月に相鉄不動産販売様のメルマガに掲載された内容を、同社のご了解を頂き掲載しています。

 

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