2015/01/12 FPが教える、「エンディングノート」を書くコツは?

最近、書店にはたくさんの「エンディングノート」が並んでいますが、立派なエンディングノートを購入したものの、最初のページから順に書き始めたら、途中で挫折したという話もよく聞かれます。今回は、せっかくのエンディングノート、FPの目からおすすめする、本来の目的を果たすための、書くコツをご紹介します。

 

エンディングノートと遺言の違い

まず、遺言書とエンディングノートとの違いを知っておきましょう。遺言書は相続遺産

の分け方を指示するもので、法律上の効力があります。それに対してエンディングノートには法的効力はいっさいありません。エンディングノートを書く目的とは、自分の死後や認知症になった場合、家族が困らないように、自分に関する情報や希望、意思を伝えることです。また、エンディンノートは、子が、親自身について知っておくべき情報や希望、意思を確認するために、親と一緒に書くという使い方もあります。

 

エンディングノートは市販の「エンディングノート」に書かなくてもよい?

市販されているエンディングノートでなくても、ふつうのノートに必要な情報が書かれていれば、エンディングノートの目的は果たされます。そして、エンディングノートを書くコツは、まず、書けるところから書いていくということで、市販のノートの順番にこだわる必要はまったくありません。

 

では、どんな内容を書いておけばよいか、表にまとめてみましたので、参考にしてください。

 

      <エンディングノートに書く内容例>


エンディングノート、ココは、ぜひ書いておこう

内容の中で、意外に見落としがちな項目についてあげておきます。まず、金融資産については、取引先の金融機関と支店名を必ず書いておきましょう。金融商品について詳しく書かなくても、金融機関と支店名がわかっていれば、あとで資産内容は調べることができます。これは保険も同様です。

 

宝石や美術品などは、購入時の購入価格がわかれば、記載しておきましょう。後に、相続した家族がそれを売却する際、購入価格がわかっていないと、売却価格の95%が収益とみなされ、譲渡所得として課税されてしまので、できるだけ損をさせないためです。

ローン等の借金も必ず書いておきましょう。借金もマイナス財産として相続されますので、家族が知らないと、単純にマイナス財産も相続してしまうことがあります。

 

最後に、これだけたくさんの項目を書くのが面倒という場合の裏ワザをお教えします。必要書類のコピーをとって、ファイルしておくだけでもエンディングノートの代用になります。市販されているノートによく掲載されている「私の歴史」といった部分については、書きたい方は、時間のあるときにゆっくりお書きになればよいと思いますが、自分が書いた時の思いを伝えるために、遺された家族へのメッセージは添えておきたいですね。

 

一般社団法人 かながわFP生活相談センター(KFSC) 浅川 陽子 CFP(R)

KFSCは神奈川県民の皆様のライフプラン作りやより豊かな生活の実現に貢献することを目的に活動するベテランのファイナンシャル・プランナー集団です。


この内容は2014年6月に相鉄不動産販売様のメルマガに掲載された内容を、同社のご了解を頂き掲載しています。

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