2021年6月15日 米国中流家庭のように資産1億円を持つためには

 

 米国中流層のサラリーマン家庭が、みんな一億円の資産を持っているということではありません。ただ、日本では、2-3千万円の金融資産で大きな話題になるのに対して、アメリカでは、富裕層とはいえない中流のサラリーマン家庭の方たちの多くが、日本人からすると潤沢な金融資産を持っているらしいという話なのです。

 

このコラムでは、日本人の私たちでも実現可能かという話題を複数回に分けて取り上げます。

 

キーとなるポイントは:

1)米国より30年遅れて、日本の投資環境が追い付いてきた

  その環境とは、つみたて投資の仕組みです。日本でも適切な制度ができてきた;

 (ア)  iDeCoの充実化や、本人拠出の企業型確定拠出年金の普及

 (イ)  つみたてNISAの創設

2)つみたて投資に適切な商品ができてきた; 

 (ア)  数は少ないが低コストな投信が現れた

 (イ)  中庸なリスクのインデックス投信が普及してきた

 (ウ)  世界に分散投資できるインデックス投信が設定された

3)長期、「40年」がキー

 (ア)  現役社会人生活約40年

 (イ)  老後の生活約40年

 (ウ)  5年、10年でも短い。数十年単位で資産形成を考える

4)ライフプランと照らし合わせて、いくら必要かを把握する

 

多くの方が、一歩を踏み出せない理由:

1)買い時がわからない

2)売り時がわからない(買い時よりも大切)

3)何をどう買えばよいかわからない

4)世界分散と言われても、何か不安

5)カモネギになりたくないと思うものの、だれに相談すればよいかわからない

 

これらを説明するために、複数回にわたりコラムを載せていく予定です。その中で、今回は、最も大事なポイントを以下に紹介します。

 

もっとも大事なポイント:

●超長期の40年スパンで、つみたて投資を絶えることなく続ける

 ⇒ 低コストのインデックスファンドで4資産分散

●積立額は、月10万円が理想だが、月3-5万円でもよい

 ⇒ できれば、収入の1割をつみたて投資に回す

●つみたての途中でも、必要な時は躊躇なく、部分解約をする(←売り時への回答)

 ⇒ 住宅購入、教育費、海外旅行、大規模修繕、自動車購入など、まとまった資金を必要とするときが間断なく訪れます

 ⇒ タイミングを見計らって、有利に売ろうとは考えない➡タイミングを見て売るのではなく、必要になったら部分解約を躊躇なくすることが大切。

 

これをしさえすればよいのですが、それを知っただけでは、100人中99人の方は、おそらく目的を達成できないでしょう。

なぜならば、とにかく長期間だからです。そして、続けるためには、キーポイントを含む金融知識を身につけて、納得することが必要です。知識も蓄え、経験も積み重ねないと1億円のゴールにはたどりつけず、40年どころか、数年後に挫折してしまいます。

 

20年間実践の経験に基づいて説明していきます

上図実線が、私が20年間かけて実践したつみたて投資の結果です。20年後の2021年3月の投資元本を100%としたときに、評価額は、2.7倍となっている点を見てください。(橙色の矢印のところ)また、途中で、何度にもわたって、教育費捻出という必要に迫られて、部分解約を繰り返しました。

これからこの四方山話の場をかりて、長期間の実践経験を踏まえて、つみたて投資のツボを探る話題を提供していきます。

 

 

一般社団法人 かながわFP生活相談センター(KFSC)   奥田 健一 CFP®

KFSCは神奈川県民の皆様のライフプラン作りやより豊かな生活の実現に貢献するこ

とを目的に活動するベテランのファイナンシャル・プランナー集団です。

 

 

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